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学校を囲むように等間隔で並ぶ樹や、干からびた土しか入っていない花壇。
枠しかない窓から少しだけ見える積まれた椅子や机、教材とおぼしき本の山。
そういうものが見えると、確かにここは学校だったんだなーとか思ってしまう。
だからどうしたと言われればそれまでなのだけど、たくさんの生徒や教師の思い出が詰まっていているのだ、ここには。
それでも人がいなくなれば寂れるし、時間が経てば風化する。当たり前のことなのに、寂しいものだ。
なんだか年寄りみたいな気持ちで感傷的になっていると、一つだけ扉を発見した。
ちょうど大きな木の影になっている。
どこかの特別教室だろうと予想しつつ、近付いてみた。
近くで見ると思ったより丈夫そうで、なんとなくではあるが最近使われていたような跡がある気がする。
意を決してドアノブに手を伸ばす。
キィ、と扉は音を立てながらもすんなりと開いてくれた。
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