・第一話・

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 勢いが止まりかけたその時、 「――っ!?」  偶然、手に持っていた懐中電灯がそのナニカを照らした。  たん、たん、たんとリズム良く壁とかを三段跳びして(アクロバティック!)、天井すれすれまで迫るパンツ。  白いパンツ。  スカートの中にあるパンツ。 「う、うぎゃああ!?」  勢いそのままに、俺めがけて落下してくる――パンツ!!  嗚呼、何という「ぐぎゃっ」  * 「本っ当にすいませんでしたあ!!」 「いやだからもういいって」  現在、俺はかろうじて生きている。  あの最後の跳躍から繰り出されたニープレス(喰らいながら名付けた膝落とし)に耐えた俺は、そのナニカ――目の前にいる女子高生と向き合っていた。  いま流行りの茶色いボブカットに、猫のようにくりんとした瞳。見たことのない制服に身を包んだ、すごく可愛いらしい女子高生だ。  三段跳びで天井まで行けるけど……。  ニープレス喰らわすけど……。
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