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「お恥ずかしいかぎりです」
頭を下げる彼女。まだ反省は尽きないようだ。
「まあ今度から気を付けてくれれば」
「はい……。いきなり懐中電灯を投げたりするようなこともしません」
「アレ懐中電灯だったの!? 道理で意識を持っていかれたわけだ……」
「すいません。無我夢中で思わず……。」
「あー、何ていうかさ、こんなこと俺が言っていいのか分かんないけど……そういうのやめた方がいいと思う」
彼女はなにかを察したみたいに押し黙った。
「なにが、ですか」
「おもしろ半分で心霊スポットに行ったりするの。ほら、都市伝説なんかでもよくあったりするだろ? 夏休みにリアじゅ……いや、男女数人で心霊スポットに行って取り返しのつかないことになったりとか。ここだってそもそも女の子一人で来れるようなところじゃないし」
忠告するつもりはなかった。ただ、純粋に心配になったのだ。彼女のことが。
しかしそんな心配をよそに彼女は、
「それなら心配には及びません。大丈夫です。なぜなら私は本気だからです!」
……え?
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