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「実はですね、今日はお願いがあってここまで来てもらいました」
「お願い?」
「はい。えーとですね、何と言いましょうか、恥ずかしながら私には友達がいません」
うお、いきなり重い話題だ。どうリアクションしていいか分からず、そのまま次の言葉を待つ。
「以前冬貴さんにはああ言ってもらいましたが、やはり周りは私を痛い子だと分かっているようで……」
自覚症状があるっていうのも変な話だよな。
普通はそういうのって、自覚していないからこそ周りにイタい子だって言われるんじゃないだろうか。
まあ普通が何かなんて俺には定義すら分からないけど。
「ですから私はずっと一人で調査を続けていました。それはもう寂しかったです。見えも話せもしない幽霊さんを相手に撮影を続けるのは、正直堪えました」
「はあ……」
何となくだけど、話の方向が見えたぞ。
「けれど今は違います。冬貴さんという心強い味方がいるのですっ!!」
「うん、まあ……」
テンション上がってきちゃったよこの子。
ビリビリ電波が飛んできてこっちまで洗脳されそうだ。
「あのっ!!」
テーブルに両手をつき、勢いよく立ち上がる真綿。
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