・第二話・

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 身を乗り出して、顔をこれでもかと突き出してくる。  陶器みたいな白い頬が赤く染まり、両目には涙が浮かんでいる。 「あ、あの、その、」  真綿はそこまで来てから、すごく言いづらそうに口をパクパクさせた。  よほど勇気のいることなのだろう。  他人に理解してもらうというのは、きっとどんなことだって難しい。  だから―― 「そういえば俺からもお願いがあった。真綿、俺と一緒に幽霊さんを探してくれないか?」 「――っ!?」  真綿は信じられないものでも見るように、しばらくまばたきを繰り返した。  やがて、 「ふぅえ~」  情けない声を漏らしながら椅子に座る彼女。カフェオレのカップを握りしめ、目をつぶる。 「だ、大丈夫?」 「大丈夫ではありません! 冬貴さんはイジワルですっ」 「え!? なんで!?」 「こんなに緊張したのは小学校の学習発表会以来ですよ」  そう言って、真綿はやんわりとした笑顔をこちらに向けた。 「友達ができるのはいいことですね。改めて実感しました」  心の底から込み上げてくるこの喜びをどうしようか。俺だってこんなに嬉しいのは、……いつ以来だろう。  ちょっと思い出せない。 「冬貴さん、返事をします」 「あ、はい」
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