・第二話・

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 俺はほとんど反射的に姿勢を正した。  どこか儀式めいたものを感じたのだ。 「こちらこそよろしくお願いします。一緒に幽霊さんを探しましょう」  真綿は満面の笑顔で了承した。  やっぱりそれは俺には眩しすぎて、彼女との距離みたいなものを感じさせられた。  これは劣等感なのだろうか。だとしたら何に。考えてもわからなそうなので、すぐに考えるのをやめた。  いま真綿が笑っていられるならそれでいい。  恥ずかしながら本当にそう思う。  * 「実は今日ここにきてもらったのには、もう一つ理由があります!」  同じ喫茶店。和やかな空気(カップルに見えなくもない、かも)で話していると、真綿は唐突にそう言った。 「もう少しで待ち合わせの時間です」 「待ち合わせ? だれか来るのか?」 「はい! サプライズゲストです」  何だろう。まさか会わせたい人がいるの、とか言って両親が来るパターンじゃないよな。もしくは彼氏とか……。  そうなったら俺はもうこれから生きていく自信がないぜ。 「……どんな人が来るんだ?」 「サプライズですから秘密ですっ」 「あーそれもそうか。まったく予想もつかないな」  真綿はうふふ、とイヤらしく笑った。なんだその含みのある感じは。  よほどサプライズなのだろうか。
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