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嫌な予感とともに席まで来た二人は、並んで座った。
向かい合う形である。
着座の瞬間を狙っていたのか、店員が水を運んでくる。さっきまでの女性の店員ではなく、なぜか男性だった。
「ご注文お決まりになりましたらお呼びくださーい」
とか言いながら去っていった。
「……」
沈黙が流れる。なぜだ。
にこにこと微笑むだけの真綿。相変わらず不遜な態度の美少女。混乱する俺。
めちゃくちゃ気まずいー!
と、叫ぶのをぐっとこらえたところで、ようやくにして真綿が口を開いた。
「それでは自己紹介をしましょうっ!」
「そうね。さっきからジロジロあたしのこと見てるこの男が誰なのか気になるし。気持ち悪いから伏せてなさいよ」
「んなっ!?」
――なんだこの女。初対面の人間に対してそんなこと言うか普通!? まあ見てたのは事実だけど!
「まあまあ『ニードレス』さん。『ニードレス』さんはすごく可愛いからしょうがないですよ」
「それはそうだけど……まあいいわ。男のしょうもない性ってことで許してあげる」
認めやがった。しかもしょうもないって……男として全否定されたぞ。
「それでは私から――」
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