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私から? 真綿が自己紹介する意味があるのか?
「私は久慈白真綿と言います。東山高校一年です。趣味は幽霊さん探しです。では次は『ニードレス』さんお願いします」
「高音つかさ(タカネ ツカサ)。高校は……どこでもいいわよね、そんなこと。趣味は――何だろ、思い浮かばないからパース」
「つかささんですか。よろしくお願いしますね!」
「……よろしく」
がっしり手を組み合わせて握手する二人。ちょっと待て、と俺は我慢出来ずに身を乗り出した。
「……二人は知り合いじゃないのか?」
「いま知り合いになりましたけど?」
何を変なこと言ってんだこのボンクラ野郎、とは思ってないだろうが不思議そうにする真綿。
いやいや、いやいやいや!
「いまって、いま!? つーことは初対面なのか!?」
「はい。さっき初めて会いました。名前もいま知りましたしね」
「なにを騒いでるのよ、うるさいわね。黙って自己紹介しなさいよ」
そう言って水を一気に煽った高音つかさ。すかさず店員が継ぎ足しにくる。
「分かった、分かったよ。俺は宮本冬貴。西海高校一年だ」
「え!? アンタ西海高校なの!? な、何組?」
「A組だけど。どうかしたか?」
「――ッ!? な、なんでもないわよ!」
……さっきから何なんだこいつは。高音つかさの言動には驚かされっぱなしだ。
「なにはともあれ、よろしくお願いしますね!」
真綿が手を伸ばしてきた。
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