・第三話・

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 一週間後の土曜日。例の約束の日。  廃校舎を取り囲むフェンスに寄りかかりながら、携帯を開いた。  今日は月の明かりが乏しいせいか、携帯の光でも目がしみる。  時刻は『11:30』。奇しくも前回ここを訪れた時と同じだ。もちろん深夜。 「……」  実際、こんな時間に女子高生二人と人気のない廃校舎で待ち合わせなんて気が引ける。  いくら真綿の提案だとしても、いいのだろうか。倫理的に。  かと言って俺が帰って、女子二人だけにしてしまうのも……。  悩んでいると、携帯が震えた。  ブルブルしてやがるぜこいつ、ふひひっ! 「もしもし。こちら宮本冬貴だけどー」 『知ってるわよそんなこと!』 「おー、その声はつかさじゃないか」 『アンタわざとやってんでしょ? ってそんなことより今どこ?』 「待ち合わせの廃校舎の前にいるけど。どうした?」 『悪いんだけどちょっと遅れそうなのよ。真綿にも伝えておいて』  なぜわざわざ俺を経由させるのか。直接言えばよかろうに。
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