・第三話・

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「冗談ですよ。私の体はそんなに安くありませんから」 「……」  からかわれた。分かっていたのにからかわれてしまった。 「ところでお一人ですか? つかささんが見当たりませんが」 「あーなんか遅れるって。さっき電話があったんだよ。だからもうちょっとここで待とうぜ」  ちゃんといなさいって言われたしな。こんなところで一人にされたらあのつかさだって怖がるだろう。  あれ? そういえばつかさはこういうの大丈夫なのか? 「……電話ですか」 「え? なに?」 「いえいえ。なんでもありませんよ! 待っている間に怖い話でもしましょうか? 幽霊さんが寄ってくるかもしれませんしね」 「うーん、悪くない気はするな。百物語みたいなことだろ?」 「そういうことです。テーマは学校で。いわゆる学校の怪談話ですね! では言い出しっぺの私から――」  これは本当にあった話なのですが、とやけに臨場感たっぷりな口調で真綿は話しはじめた。  * 「お待たせー。ごめんね真綿。ちょっとトラブってて遅れちゃった」  つかさが到着したのは、怪談話を三話消化したときだった。
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