・第三話・

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「今日はイケそうな気がします! ね、冬貴さん?」  満面の笑みで言われれば、それはもう頷くしかないというものである。 「よろしいです! では行きましょう。私についてきて下さいね? 気付いたら私一人になってるなんてイヤですからね」  だからシャレにならねえっての。  選択肢など存在せずに、ずんずん突き進む真綿についていく。  つかさはというと、俺の斜め後ろを歩いていた。ギリギリ視界に入るから、いきなりいなくなるということはないだろう。 「怖いの? さっきから静かだけど」 「え!?」  肩を震わせ、盛大にびくついたつかさ。少しでも緊張を和らげてやろうと思ったのだが、逆効果だったらしい。 「違うわよ。ちょっと思ったより寒かっただけ」  そう言うつかさはシャツに薄手のカーディガンを羽織っている。これまた驚くほど可愛い。  真綿の動きやすさを重視した軽装とはえらい違いだ。 「まさか霊的な寒さ?」 「アンタねえ……。っていうかさ、」  そう言って、つかさは二歩分くらいある距離を縮めてきた。肩と肩がふれあい、ほとんど密着状態だ。  そうして内緒話をするときみたいに声をひそめる。 「アンタはほんとに信じてるわけ? 幽霊」  ……実際内緒話だった。
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