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「どういう意味だよそれ」
声のトーンをぐっと抑えて、つかさの耳元で言う。
「そのままの意味! 真綿と同じように信じてるわけ?」
「んーどうだろうな。見たことないから否定はしない。まあいれば良いとは思うよ」
それが真綿の願いだから。
あんなに熱心に(先頭をひた走りながら変な踊りで霊を誘ってる)がんばってるんだから、その片鱗くらい見せてくれてもいいんじゃないかとは思う。
ガチで憑かれるのは勘弁だけど。
「ふーん、てっきり盲信してるのかと思ったわ。アンタの真綿を見る目、異常だもの。犯罪のニオイがするわ」
「……。つかさは俺をそんな目で見てたのか。ちょっとショック……。で、そういうつかさはどうなんだよ」
「あたしは信じてないわ」
「――っ、はあ!?」
途端につかさが俺の口を覆う。もちろん手のひらで。
「どうかしました!? 早速怪談話の効果が現れましたか!?」
真綿が変な踊りを続けたまま振り返る。
その異様な踊りは真綿だとわかっていなければ絶叫モノだろう。小さい子には見せられない。
「な、なんでもない! あたしたちはちゃんとついていってるから、真綿も気にせず進んでいいわ」
「むぅ、秘密のお話ですか? ……―――す」
ん? 何と言ったのだろうか。言い直しもしないで真綿は進撃を再開した。
次いでつかさが俺を見る。
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