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「バカ! 声が大きいっ」
「す、すまん。それより幽霊信じてないって本当かよ。自分から参加したいって言ったんだろ?」
「幽霊信じてないと参加できないわけ? 違うでしょ? ならいいじゃない。あたしは単なる暇つぶし。ちょっとおもしろそうだったから参加してみただーけ!」
……確かにこれは真綿には聞かせられないな。
「だからあたしは別にこんなところ怖くも何ともないから。鬱陶しいから変に男気見せようとか思わないでよね」
「結局それが言いたかったのか」
「そ。さっきみたいに気遣われたって気持ち悪いだけだって話よ」
つかさはツンと澄ました表情であさっての方向を向いたあと、俺を追い抜いていった。
なんか、腹立つ。
つかさの背中にそんな感想を抱きながら、後に続いた。
真綿が日頃から利用しているらしいフェンスの破れた箇所を通り抜け、学校の敷地内へと侵入する。
そのまま学校沿いに進んで、適当な窓を開けて忍び込む。
あんなホコリまみれの教室を抜けなくても、普通に窓を開ければよかったのか。割れた破片がすごかったから逆に盲点になった。
「というわけで校内です」
まるで割愛した部分をつないで編集するかのような語り出しだった。
別にワープしたわけではない。
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