・第三話・

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「じゃあ早速行きましょうか。私はカメラを持ちますね!」  明るい声で真綿が言う。  気を遣わせてしまったか、と淡い痛みが胸を責める。  真綿はノートに続いてカメラも取り出す。あの時のカメラだ。それからさっきのノートをつかさに渡した。 「え!?」 「つかささんは字が綺麗な気がするので記録係りです」  半ば強引にノートを手渡されたつかさは、少しだけ嬉しそうに中を覗く。 「お、俺は?」  真綿は撮影係り。つかさは記録係り。他に役職が残っているのだろうか。 「そうですねー、庶務雑務ってことでその辺の掃除をお願いします」 「幽霊関係ねえーー!?」 「冗談です」  びっくりしたー。なんで真綿は時々俺をからかうのだろうか。微笑んでるし。 「冬貴さんには撮影場所を選んでもらいます。つまり幽霊さんが居そうな場所ということです。……私が選んでも一度も現れたことながないので。お願いします」 「って言われてもなあ、どんな教室があるのか分からん」 「心配には及びませんよ。どうぞこれを!」  いつの間に取り出したのか、大きめの紙切れがあった。新聞紙みたいに広げて見せてくれる。 「こ、これって――!」 「この学校の見取り図です。避難訓練などで使われるものですね」  さも当然みたいな顔して解説してるけど、そもそもある事自体が不自然だ。普通手に入るかこんなモノ。
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