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「第一印象とかインスピレーションで決めちゃっていいんですよ？」
そう言って手渡された見取り図。ところどころに真綿のものと思われる走り書きがある。
それにしても第一印象か……。
見取り図の三階部分へと視線を移す。そこには一年の教室や音楽室が配置されていて、俺の通う西海高校とはだいぶ違った構造のようだ。
「へーここは一年の教室が三階にあるんだ。なんだか違和感があるわ。玄関から遠いし」
気がつくとつかさが隣にいて、見取り図を覗き込んでいた。ち、近い。それにいいニオイがするっ。
変態チックな思考に翻弄されながらも、姉を思い出して自制した。
「真綿、決めたよ」
「どこです？」
「ここには何かいる気がする」
俺が指定したのは三階の音楽室。Ａ組にしようかと迷ったのだけど、ここは一組、二組というような数え方なので保留。
昔から学校の七不思議などで必ずネタにされる音楽室を選んでみた。
「さすが冬貴さん！ 三階はまだ調査していなかったので、この機会に行動範囲を広げましょう！」
「定番ね。ま、いいんじゃない？」
二人の同意を得て、すんなりと決定した。
ということで、いざ音楽室へ。
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