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すかさず支えたのは俺、ではなく石神要。
さっきから姿が見えないと思ったら……こんな時だけ駆けつけてきやがった。
「大丈夫か高音。気分が悪いのか? 遠慮する必要はない。すぐにでも胸を揉んでやろう」
「はあ!?」
素っ頓狂な声をあげながら石神の両腕から飛び退くつかさ。またも胸を押さえて、
「あ、あんた何言ってんの!?」
顔は真っ赤で若干涙目だ。
「ははは、冗談に決まっているではないか。そう照れるなよ」
「照れてるんじゃないわよ!」
ったく、何やってんだか。
嘆息しつつ、真綿が歩いているだろう方向を見た。
そこだけは月に照らされて、“幽霊なんてものとはまるで無縁のように”幻想的だった。
――まあこんな感じで、久慈白真綿を中心とするオカルト研究会『百鬼夜行』は、今日も今日とて活動するのだった。
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