・第三話・

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「どう!? 通じた!?」  つかさが俺の服の裾を掴んだ。力いっぱい引いてくる。 「ダメだ。……留守電につながる」 「そ、そんな。どうするのよ!?」 「……」  まさかとは思うけど、真綿の願いが叶ったとかじゃないよな。  幽霊さんの仕業じゃないよな。  こんな形で、こんないなくなり方で証明したわけじゃないよな! 「真綿が戻ってくるかもしれないから、つかさはここにいてくれ。それと電話を掛け続けるんだ」 「アンタ――と、冬貴はどうするの!?」  裾を引く力がさらに強くなる。 「俺はちょっと校内を探してみる。ここは老朽化が激しいから、もしかしたらって可能性もある」 「ダメよ! あたしも行く! ここであたしらまでバラバラになったら――」 「……そうだな。確かにその通りだ」  つかさの手を開いてやって、やんわりと外していく。涙目で見上げるつかさはすごく不安そうだった。 「一緒に探そう。行くぞ!」  つかさの手を取って、走り出した。 「――っ、今だけだからね!」 「わかったよ」  まずは来た道を戻る。後ろにいたんだから、どうやっても俺たちの前に出ることはない。  走りながら教室一つ一つに入って、声を掛けながら探していく。
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