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カーテンが閉められ、月の光も届かない教室は文字通り真っ暗闇。
さらに乱雑に放置された机や椅子のせいで死角が多い。
電灯で照らすたびに何かが飛び出してきそうだ。
そんなのはきっと妄想だけど、それでもこういう非常事態という状況も相まって、恐怖心を掻き立てられているのがわかった。
もちろんびびってる暇はない。
手を繋いだ先、隣のつかさを見る。
携帯を片手に、何度も真綿にかけ直していた。
最初にああ言ってはいたが、つかさも怖いだろう。
人間が音も無く急にいなくなるなんて、それこそ映画の世界だ。普通じゃない。
「もう何なのよ! 全然繋がらないじゃない!」
「つかさ……どこかで休んでるか? あとは俺が、」
「いい! 冬貴は冬貴でちゃんと探して。あたしは別にやめたくなったとか、そういうのじゃないから。大丈夫だから」
「――おう」
教室を出て、さらに先を急ぐ。一階に続く階段を駆け下りた。
途中にある特別教室や職員室に入り、同じような作業を繰り返す。
けど……。
このまま行くともう侵入に使った窓まで着いてしまう。
電話にも出ない。手掛かりもまったくない。
本当にどうしたんだ、真綿。
その時だ。
「――痛ぇッ!?」
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