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つかさはいつも通りで、真綿は申し訳なさそうに俯いていた。
「だ、大丈夫か?」
他にかける言葉も見つからず、そんな風に話しかけてみる。
真綿は少しだけ顔を上げて、目を合わせてくる。
「ご心配おかけしました。まさかそんな大事になっていたとは……ごめんなさいでした!」
深々と頭を下げる。きれいな礼だ。
「無事ならいいんだよ。見たところ怪我とかもないみたいだしな。てっきり幽霊さんに連れて行かれたのかと思って焦ったよ」
「う~、すいません。幽霊さんを見つけられないばかりかご迷惑ばかり……面目無い、です」
そのまま話し続けたら地の底まで沈んでしまいそうな落ち込み方だった。
うーん、なんだか謝られてばかりな気がする。
「まあお互いの連絡だけはこまめに、密に、行っていこうってことで。だからそんなに謝るな。な?」
「そうよ。あとでランチの奢りでチャラにしてあげるわ」
こいつ……。つかさが言うと素なのかわざとなのか分からない。
キャラ作りであるということを願おう。
「はい。あの、私は嬉しいです。お二人がこんなに心配して下さるなんて、不謹慎ですけど、でもどうしようもなく嬉しいですっ!!」
俺とつかさで顔を見合わせる。つかさは満更でも無さそうに微笑んでいた。
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