・第一話・

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 パーフェクト超人的ニートだ。  都会に出て働くと意気込んでいた彼女の志はどこにいったのか、今では家からほとんど出ない。  ありきたりだが海外に出張している両親に代わって、家事は全て俺が担当している。姉さんの身の回りの世話だって俺がこなしているのだ。  つまりパーフェクト超人的引きこもりニートだ。  どうしようないよな、ほんと。  喧嘩の理由もその辺に、というかずばりそれなんだけど……。  *  ということで、俺はいま姉さんの弱点を探していた。  とある筋から得た情報によると、姉さんは高校時代に、何年も昔に役目を終えてしまった廃校舎に入り浸っていたらしい。  そこで何をしていたのかまでは分からなかった(要調査)が、とにかく何かあると俺は考えている。  あのパーフェクト超人的引きこもりニートの弱点――とまではいかなくても、なんで今あんな風になってしまったのか分かるかもしれない。  過去の姉さんの事を知ることで、今を視るとでも言おうか。  具体的には言えないものの、何かしらヒントになりそうなモノがあるような気がしていた。  携帯の液晶には『11:30』と表示されている。  午前中ではない。真夜中の三十分前だ。
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