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パーフェクト超人的ニートだ。
都会に出て働くと意気込んでいた彼女の志はどこにいったのか、今では家からほとんど出ない。
ありきたりだが海外に出張している両親に代わって、家事は全て俺が担当している。姉さんの身の回りの世話だって俺がこなしているのだ。
つまりパーフェクト超人的引きこもりニートだ。
どうしようないよな、ほんと。
喧嘩の理由もその辺に、というかずばりそれなんだけど……。
*
ということで、俺はいま姉さんの弱点を探していた。
とある筋から得た情報によると、姉さんは高校時代に、何年も昔に役目を終えてしまった廃校舎に入り浸っていたらしい。
そこで何をしていたのかまでは分からなかった(要調査)が、とにかく何かあると俺は考えている。
あのパーフェクト超人的引きこもりニートの弱点――とまではいかなくても、なんで今あんな風になってしまったのか分かるかもしれない。
過去の姉さんの事を知ることで、今を視るとでも言おうか。
具体的には言えないものの、何かしらヒントになりそうなモノがあるような気がしていた。
携帯の液晶には『11:30』と表示されている。
午前中ではない。真夜中の三十分前だ。
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