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そして佳菜子……じゃなくておじさんは「私やることがあるから!ばいばいっ♪」と言ってどこかへ行った。
そうして、また家に向かって歩きだした。
「おい」
「……?」
「お前だ。お前。お前だよ」
「???」
誰かの声がするのだが、どこにも人は見当たらない。下を見ると、野良犬だった。野良犬が喋っていたのだ。
「……ホンマすか?」
「私だ。立花だ」
「……誰です?」
すまん。やっぱ人違いだった。と言い残しどこかへ行ってしまった犬。
もうすでに、心は疲れ切っていた沙耶。
そうして家の前に着いたのだが、そこには家が……
なかった。
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