138人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
立ち話はあれだし取りあえず歩きながら話すことに。
「あ…そうだリク、昨日のメールなんだよ。体操着必要か訊いただけなのに『必要』って絵文字なしで返すとか、怒ってんのかと思ったぞ?」
「あ、そうだな、眠たくて面倒だったんだ」
やっぱり篠原さん打ち方がよく分からなかったんだ……
今度基礎だけでも軽く教えておこう。
「篠原は…携帯持ってんの?」
「いや、持ってないよ」
「へー…今時珍しいな、無いと不便だろ」
「それが意外と家事が大変で…」
「え…篠原が家事?」
左近が妙な反応をとる。
ん、なんかミスったか…?
「お前この前の調理実習の時、野菜を微塵切りにするためにミキサー使ってただろ…」
「…………」
僕は左近から篠原さんに目線を向ける。
あ、目をそらした…
本当にしてたんだ。
篠原さん自分では完璧だと思ってるけど少しぬけてるからなぁ。
「えっと…そうだったっけ?」
へへへと軽く笑い話をそらす。
「…………」
左近とはあまり話さないでおこう…どんどん鎧が剥がされていく。
……そんな事を考えている僕をよそに左近は、僕が笑った事に少し驚いているように見えた。
――篠原の笑顔初めてみた…
少し可愛い……?
最初のコメントを投稿しよう!