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「篠原さんの家に遊びに行ってたら
篠原さんのお父さんが変な機械を使って僕を篠原さんと入れ替えました」
「長い説明ご苦労だが…私も被害者だ。了承している」
「篠原さんー……」
僕は元自分の胸の中で泣いていた。
自分の胸の中で泣くのは初めてだけど、左近で少し慣れているから不思議と落ち着いた。
「月見里…私の顔で泣くな、鼻水をかめ」
「……うん」
篠原さんの貸してくれたハンカチで涙と鼻水を拭った。
みっともないな自分…
篠原さんも泣きたいくらいショックだろうに。
「まー別に良いじゃん?死ぬわけでもないし」
鼻くそをほじりながら詫びる様子もないおじさん。
「……世界と私達のために死ね」
おじさんの左耳のちょい上を包丁が通り抜け、壁にスコンッと刺さる。
篠原さん本気でキレてる……
「や、やだなぁー流香ちゃん!本気で私がそんな事思うわけないじゃないか」
「「…………」」
「な、なんだ2人して…信じてないな?」
今さっきの態度を見せられて
信じろと言う方が難しい。
…このおじさん駄目かも。
「あんなゴミはほっといてだ」
「…うん」
「今から私はお前の家に帰らなければならない、家の場所と家族の仲など教えてほしいのだが」
「え、あ、うん…」
そうか…
今は篠原さんが月見里六斗で
家に帰らないと親が心配するもんな……
え、じゃあ僕がこのおじさんと残るの……?
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