37人が本棚に入れています
本棚に追加
今まで何の物言いをせず淡々と辺りをさ迷っていた機械人形達は私を見るや動きを一転させ、足を必要としない浮上した体で私の方へと向かいその両手に付いた鋭い突起を私の体に差し込まんとする。
「よっ…。」
しかし無論こうやって相手の動作をしっかりと分析できるということはつまり避けることも容易い訳であり、機械人形を見ながら後ろにステップを踏む単純な行動だけで回避でき、それに続いて右手に握りしめられた大拳銃型デバイス〔アルカナム〕の引き金を引くことも可能だ。
アルカナムの銃口から放たれた朱輝の魔法弾は機械人形の胸元へ到着しそのままの勢いで人形の心臓部を貫き被弾箇所から煙と悲鳴を上げるとともに熱い風を巻き起こしながら爆発する。
「まずは一機ね…。」
私は人形が爆発し散らばった破片が砂のように消えていく光景を目にするとすぐに違う人形の所へと走り出し二体目への対処へと移る。
特別な魔法なんてかけていない、ただ弾に自分の魔力を圧縮したのをぶつけただけ。
被弾させ爆発、そして証拠品を残す寸法なのにあの人形とくると爆発すると散らばった破片はすぐに砂のように消えてしまう。
そういう構築なのか元々砂で出来ていたのかそんな魔法が込められているか、彼らはそんな私の疑問に一切答えてはくれない。
証拠品を残さない彼らは私の魔力弾を受けては一体また一体と砂となり消滅していくのだった。
最初のコメントを投稿しよう!