プロローグ

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∇ 遠見市 マンション、ハラオウン宅 海鳴市の近くにある遠見市の高級マンションの一室。 そこに住んでいるハラオウン家はいつも変わらない淡々とした毎日を送っていた。 「フェイト~、お弁当できたわよー。」 「え…母さん今日私修学旅行だからお弁当は…。」 「あらそうだったやね…ごめんなさいね…ついいつもの通りに…。」 フェイトと呼ばれた少女は彼女の母であるのんびりとした表情を浮かべ「困ったわ。」と先ほどの話題に出た弁当箱とにらめっこをしているリンディの姿を見てうねりとともにリンディとは違った意味で「困った。」と口にする。 「私が食べてやろうか?」 「あ、アルフ…起きてたんだ。」 「アルフさん…お願いしてもいいかしら?」 困り果てる2人の前に救済のセリフを吐く一匹の子犬がやってくる。 アルフと呼ばれたその子犬は人の言葉を話すが2人はそれに何の違和感も抱かず、リンディと自然と対話してはそのままフェイトに抱き上げられるのであった。 「おう、任しとけ。」 フェイトに抱き締められる中、アルフは胸を張り器用に前足を使い頼まれたとフェイトに向かってジェスチャーを送る。 フェイトはアルフのその言葉を聞くと安堵しアルフに微笑みかける。
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