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「分かんない…たぶん令嬢。涼雅が留守の時に電話で…たくさん来たの」
「何人も?」
冬華は黙って頷いた。
「…次来たらこう言いなさい。『選ばれたのは私なんだから諦めろ』って」
「…言えるかな?」
「言えなきゃ私が言ってあげるわよ。女のひがみに付き合う必要ないわ」
普段の馨…それを見て、冬華は笑った。
「やっと笑った…ほら、そろそろ式が始まるわよ」
「うん…ありがとう」
「またね。人生で一回しか無いんだから楽しみなさい」
「うん…友人代表のスピーチよろしくね!」
馨はウインクすると、部屋から出ていった。
係りの人が呼びにきて、冬華は式場の扉の前に来た。
隆士が待っている。
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