752人が本棚に入れています
本棚に追加
その名刺を、近くの従業員に捨てさせた。
「いいの?」
「いいよ。涼雅も捨てろって言ってたし。あたしを“月崎財閥の次期社長夫人”って見てるんだから」
冬華は言った。
馨も頷いた。
「冬華…困ったらいいなさい!昌樹が力になるから」
「え…僕!?」
「海藤ホテルの御曹司でしょうが!」
「…え?海藤ホテルの御曹司?昌樹が?」
海藤ホテルとは、世界中にあるホテルで…昌樹はホテル王の御曹司となる。
「そんな凄い人だったの!?」
「実はね…だから、月崎財閥とも契約してるし。先生の事も昔から知ってたよ」
「そうだったんだ…」
冬華は改めて昌樹を見た。
「だから、あんたは不似合いとか心配しないの。私だって似たようなものだし」
.
最初のコメントを投稿しよう!