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教室に着くと、昌樹が来た。 「二人ともどこ行ってたの?」 「保健室よ。冬華が昨日忘れ物したから取りに行ったの」 「あぁ…冬華は大丈夫?」 「平気だから。暑いの苦手だからご飯食べなかったのが原因みたい」 そう言うと、馨が、 「『みたい』じゃなくて、食べなかったのが原因よ。まぁ、その元凶も悪いけど」 昌樹は理由を知らないため、あえて伏せている。 「そっか…ちゃんと食べないと駄目だよ?」 「わかってるわよ。あたし本読むからアッチで二人で話せば」 二人は、諦めた表情で向こうへ行った。 冬華は、ケータイを取り出すと着信拒否をした。 もちろん…これだけでは済まないが、暫くは大丈夫だろう。 刑事の正義感ある兄の隆浩に言えば、何をするか分からない。 .
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