752人が本棚に入れています
本棚に追加
教室に着くと、昌樹が来た。
「二人ともどこ行ってたの?」
「保健室よ。冬華が昨日忘れ物したから取りに行ったの」
「あぁ…冬華は大丈夫?」
「平気だから。暑いの苦手だからご飯食べなかったのが原因みたい」
そう言うと、馨が、
「『みたい』じゃなくて、食べなかったのが原因よ。まぁ、その元凶も悪いけど」
昌樹は理由を知らないため、あえて伏せている。
「そっか…ちゃんと食べないと駄目だよ?」
「わかってるわよ。あたし本読むからアッチで二人で話せば」
二人は、諦めた表情で向こうへ行った。
冬華は、ケータイを取り出すと着信拒否をした。
もちろん…これだけでは済まないが、暫くは大丈夫だろう。
刑事の正義感ある兄の隆浩に言えば、何をするか分からない。
.
最初のコメントを投稿しよう!