18水茶屋姉妹の五・お花とお蜜

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 うららかな光と風。ゆれる草花。  梅の花。月光に淡く輝き、日光に香る。  若いよもぎの群生を横切る黒猫。 「にょわ?」  目のくりくりした少女。追いかける。 「こら、お蜜!川に近づいちゃだめって言ったでしょ!」  もう少し大きな少女が走ってきた。捕まえる。 「お花!お蜜!どこまで行ったんだ!店を開けるぞ!」  息が切れる。髪も白くなった甚五郎。  さっと店の前に出てくる少女姉妹。 「今日もまかせときな!」 「にゃ!」  お花、十。真似するお蜜、六つ。 「足ばっかり早くなりやがって。よっこいせ」  縁台を出す。  翼屋の幟。お花は一度それを持って街道で仁王立ち。それから杭に縛り付ける。  橋の袂。  街道を挟んで向こう側には大きな店が二つ。 「あんた!また帳簿が一文間違ってるよ!」 「え!ごめんよ!」 「尻に敷かれてるな佐吉」 「お義兄さんこそどうなんです」 「おいらは座布団と相性がいいんでい」  お静は飛脚屋の風屋が来ると、すぐに話を通して近場の通販を始めた。  刻限を守る信用性から、武家にまで扱われるようになる。  さらにその傍ら、得田屋の帳簿まで監査していた。
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