始まり

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「ダダ漏れだぞ、愚弟よ」 「いてぇ!!」 実際、出席簿で殴るのはいかがなものだろうか? しかも角。 「これは夢も無い、志も無いアホでバカでトンチンカンな愚弟を姉である私が正してやろう、という私の優しさだ。ありがたく享受するのが弟であるお前の役目だろう」 長々と続く説教(?)。 しかし、毎年聞くな、この自分を持ち上げまくるテンプレ。 「先生ー、その説教毎年やってるんで省いてもいいんじゃないですかー?」 ナイスな進言が生徒から飛び出る。 「む、そうか? いやはや、かわいい弟の為となると熱くなってしまっていかんな。まぁ、そういうことだ。席に座っていいぞ、准」 かわいいとか戯れ言が聞こえた気がするが、いつもならあと二十分は続く説教を回避できたのだから気にしないでおこう。
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