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夕暮れ。学校帰りにスーパーに寄って、アイスを買って公園へとやってきた。
公園にあるベンチに腰をかけ、ピリッとチョコアイスの包装を破き鞄の中に突っ込む。
そしてチョコアイスを口にくわえこみ、空を見上げる。
「また空見てるの?」
隣でアイスをくわえながら此方を見てくる親友、小百合。
『うん』
軽くそう返事をし、また空を見上げる。
「そんなに空を見るの楽しいの?
毎日毎日、まぁ―いにち、天気でしか変わらない空を見上げてさ」
『楽しいよ』
ずっと空を見上げる。
飛んでる鳥の動きとか、大気の動きなど見られて楽しい…。
けどもどこか寂しいんだ。
『快晴って寂しいね』
「なんで?晴れてていいじゃないの」
皆は晴れてる方が好きみたいだけど、私は雲が少しあるのがいい。
『だって、快晴って雲が一つもないんだよ。
青一色さ。青以外何も色が入ってない。
例えるなら、真っ白い何も書かれていない紙が一枚目の前に置いてあるような感じ。
白以外の色はない。それと同じ』
「…難しいこと言うね」
パリ、とチョコのいい音を鳴らしながら食べる。
『ほんはにむふはひくはいほ?』
「ちゃんと食べてから言いなさい」
ビンッとデコピンをされ、後ろに反り返る。
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