そして迎えた使い魔契約の日

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 使い魔が強ければ、霊術がなくとも、戦える。テリアを名乗ることが、これからも許される。そのことに、父さんはかけているのだろう。使い魔契約は、契約者(ぼくら人間のことだ)の実力だけではなく、血の遺伝情報とかそういったものも重要だからだ。 「ぼくがテリア家を名乗り続けるには、最低でもどのクラスの、使い魔を召喚しないといけないのでしょうか……」  ぼくがそう口にすると、父は目を丸くした。 「なんだ、気づいていたのか」  そりゃ、ぼくはそこまで馬鹿じゃないから。もちろんそんなことは口にせずに、ただ頷くだけだ。 「まあ、よい。貴様がこの家に居続けるための条件。それは最上級クラスの使い魔を呼び出すことだ。それ以外は認めぬ。良いな?」 「はい……わかりました……。それでは、失礼いたしました」  ぼくが最上級クラスの使い魔を召喚する確率を考えれば、それは事実上、勘当されたも同然だ。せめて上級なら、まだ可能性はあったんだけど……。 「うむ、よい結果を期待しているぞ」  心にもないことをよく言う。  すべては明日にならないとわからない。でもぼくはすでに諦めていた。部屋の荷物整理、しとかないとな……。
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