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こんなのがアマテラスあたりにばれたら……。
考えただけで背筋に寒気が走った。きっと1万年くらいは笑いの種にされる。最悪だ。
「おい、貴様!」と、彼女は一角獣に声をかける。「このこと、誰にも言うでないぞ! もし、このことを口外したらそのときは――」
セリフは最後まで発せられることはなかった。完全に他世界へと送られてしまったのだった。
こうして、世にも間抜けすぎる使い魔契約が成立――するのだろうか? 正規の契約ではないので、陣を作った人間を殺してすぐにでも戻ってくる可能性もある。
彼女に踏まれた不遇の一角獣の幼体は、
「きゅ、きゅうう……」
さすが最弱。いまだに死にそうな体(てい)でもだえていた。その胴体にはさっきまではなかった紋様が浮かんでいた――
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