そして迎えた使い魔契約の日

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「どこをほっつき歩いていたの? まあ、あんたがどこでなにをしてようがあたしには関係ないけど、どうせおおかた、またテリア家の名を貶(おとし)めるような目に遭ってたんでしょ? 情けない」  いきなりの罵声に、ぼくはむかっとくる。ことの元凶がなにをほざくんだ?  さっきの4人が特別訓練という名の、うっぷん晴らしを始めたのは、だいたい3か月前だ。その原因を作ったのはこいつ――ぼくの双子の妹であるユーリ・テリアに他ならない。  そもそも、ぼくみたいな落ちこぼれ、誰も相手にしない。いじめるにも値しないからだ。それなのに、こいつのせいで……! 怒りにまかせてぎゅっと拳を握る。  でも、ぼくは結局何もしない。たしかに原因をつくったのはこいつだ。だからといって、すべてこいつが悪いかといったら、そうじゃないからだ。  あの4人組の馬鹿な思考回路だってもちろん悪いし、あんなやつらに手も足も出すことができないぼくの弱さも悪いからだ。 「何の用だよ」  さきほどのユーリもそうだが、ぼくはおよそ妹にかけるにはふさわしくない声で話す。  これは仕方ないことだろう。  ユーリはぼくのことを嫌っている。憎んでいるとさえ言ってもいい。ぼくの弱さのせいで、家のことすべてを背負わせてしまったからだろう。そのため、初めは仕方ないか、と思っていた。
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