賀河慎吾

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「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・・ゴメン。 やっぱ今言ったことは忘れて。」 原因不明の暗中模索の朦朧不明瞭な気まずい沈黙の中、 佐伯はポツリとそう零すと、私から顔をそらすように、コチラに背を向けて座り直した。 ・・・・・・ ・・・・・・本当に何だったの、今のは・・・。 あまりにも予想外な発言だったため、私もちゃんとした返答をするのを忘れてた。 だけど、それよりも更に予想外なのは・・・ 私に背を向けている佐伯の顔を、少し覗きこめば・・・ 佐伯の顔が、少し赤かった。 ・・・・・・・ ・・・・・・・ 人間は、自分の顔の温度や色を自らの意思で操作できる生き物なんだろうか。 私の経験上、そんな人間はいないはずだ。 でも佐伯は、確か10の噂によれば“宇宙人”なんだっけ。 ああそっか。 宇宙人だからこうやって皮膚の温度も操作して、照れたフリをするのもお手のものってことなのか。
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