127人が本棚に入れています
本棚に追加
/337ページ
母が望むもう一人の声はない。雫である。
雫は、私の1つ上の姉である。今日から新学期だけど、ご覧のとおり朝が弱い。
母と姉は毎朝が、たたかい。
今日も例外ではない。
早速、階下から階段を上がる音がし、
カチャ
隣りの部屋のドアを開ける音がする。
「雫、起きなさい」
部屋に入るやいなや、大きな声で起こし始める。
「まだ…眠たいよ…」
姉が寝ぼけた声で返事をしているのが聞こえてくる。
「夜遅くまで起きてるからだよ」
私は、そう呟きながら着替えだす。
私は、いつも二人のたたかいを聞きながら、パジャマから制服に着替える。
しばらく格闘…といっても言葉でだけど…したあと、母が姉の部屋を出て階下に降りる音がする。
姉がやっと起きたのだ。
私も着替えを済ませて一階に降りようと部屋を出た。
と同時に隣りの部屋のドアが開く。
最初のコメントを投稿しよう!