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姉が寝ぼけ眼で部屋から出てきた。
「お姉ちゃん、おはよう」
「おはよう…」
姉は、元気のない返事をして、まだ夢の中にいるかのような顔をしてる。
「綺麗なお姉ちゃんが台無しだよ」
顔をまじまじと見ながら言うと、
「大きなお世話」
この会話も日常茶飯事である。
姉は目鼻立ちがハッキリしていて、綺麗な顔立ちである。
でも、朝が弱いこともあって、朝の顔は酷い。
それでも綺麗な事には違わないのだけど。
階段を二人で降りてると、
「葵こそ今年17になるんだし化粧ぐらいしなよ。モテないよ」
と姉が頬を人差し指でつつく。
「ひどいよ~」
私が姉に向かって言うと、姉は笑いながら、
「冗談冗談。葵はメイクしなくても可愛いよ」
「ほんと?」
「うそよ」
「もう~」
私は膨れっ面になる。
「うそうそ、ほんとに可愛いよ」
食卓につきながら、今度は真剣に答えた。
「ありがとう。素直に受け止めるよ」
笑いながら言って私も食卓につく。
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