私だけの太陽 莉乃side

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「どうしたの?」 気がついたら、彰くんはこっちを向いていた。 自分が話しかけてられていることに気がつく。 でも、咄嗟に考えていることは出てこなくて。 「空。梅雨も終わって、もうすぐ夏がくるなぁって思って」 たどたどしいし、子供みたいなことを考えている、って言ってる自分でも思った。 馬鹿にされちゃうかな……? そう思って覗いた彼の顔には、軽蔑しているような表情なんて全然なくて。 「そうだな」 返ってきたのはたった一言だったけど、なんだかホッとした。 女子のアイドル的存在だから高嶺の花みたいなイメージだけど、感覚は普通なんだ……。 なんて、よくよく考えたら当たり前のことを思ってみる。 「あ、私こっち」 左に曲がろうとした彼に気がつき、私は短く言った。 今まで知らなかったけど、多分家はかなり近い。 「あ……メルアド、教えてくれる?」 「いいよ」 彼の申し出に、私は一瞬期待してしまう。 でも、委員長と副委員長として一緒に仕事をしていくのだから普通だと気がついた。 .
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