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なんとなく……
それが誰かは予想はついていた。
取り敢えず、あまり不自然にならないように音をたてずに地面に降り立つ。
「やっぱり、今日も教会にいたんですね!」
相変わらずの屈託のない笑顔で話しかけてくる莉乃ちゃん。
こうやって話すのは三日ぶりだけど、なんだか毎日話しているような錯覚に囚われるから不思議だ。
「まぁ……半分、日課みたいな感じになってるからね。莉乃ちゃんは何しに来たの?」
「私ですか?私は……十夜さんに会いに来ました♪」
はぁ──…
いるかも解らない相手に、"会いに来た"って……
貴方は馬鹿ですか。
その無防備な笑顔に心の中でため息をついたが、ポーカーフェイスのまま話し続ける。
このポーカーフェイスは、正体を隠して"人間"として生きていく為の必需品。
「へぇ。俺と一緒で、夜型人間なのかな?」
「まさか!私は、昼間は学校行ってるし早起きですよー」
そりゃ、そうだ。
見たところ、莉乃ちゃんは中学生ぐらいだもんな。
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