妄想その1

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「全く話しにならん!協議は終わりじゃ!」 「……はぁ」 そう吐き捨てて荒々しく出ていくテンペランスを追い、毎度のこの空気に辟易しながらツルギも退室する。 「お子さまの相手は疲れるわね~」 そう言いながらも何故か虚しさを覚え、余計に苛立ちが募るチャイチャイに対し、アランはただ肩をすくめるだけだった。 そうして訪れた静寂の中で愛読書である月刊槍の、『この槍で恋人が出来ました!』という特集を読み耽っていたチャイチャイに、 「そろそろボクも退室させてもらうよ」 そう声をかけてアランは出ていった。
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