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いつもふたりで眠ったあのベッドは、時間など無用だとでも言うようにあの日のままだった。
トクン……と甘く疼いた胸を、いたたまれず瑠奈が押さえると、聖夜は彼女のうなじに顔を埋め、その手をやんわりとほどいた。
やわらかな身体の中にくすぐったさと紙一重の震えが湧き上がってきて、瑠奈の口から溜め息が漏れる。
後ろから抱きすくめ、聖夜は瑠奈を半ば乱暴に広いベッドの上に押し倒した。
瑠奈の両脇に手をつき、閉じ込めるように身体で押さえつけ衣服をはだけさせる。
あらわになった白い背中に聖夜が口唇を落とすと、瑠奈は悲鳴のように高く短い声を上げた。
そのまま瑠奈を抱きすくめ、自分の膝の方に彼女の細腰を引き寄せながら、聖夜は眩暈がした。
「やだ、恥ずかしい……」
「今さら、何言ってんだ。全部知ってるぞ」
「だって……」
胸も背中も、聖夜の口唇と手で容赦なく撫で回されながら、瑠奈は羞恥に勝てず身をよじった。
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