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「いいの。矛盾でも何でも。あなたが──ここに、いるなら」
聖夜の腕の中で、瑠奈はゆっくりと顔を上げた。
真っ黒い聖夜の瞳と、澄んだ琥珀のような瑠奈の瞳が繋がる。
いつになく強い瑠奈のそれに、聖夜の方が揺れた。
「……瑠奈」
「私、さっきも言ったわ」
「うん?」
「矛盾でも何でも、私は、私。それだけよ。早く、ここから私を連れ去って」
“ここから”──。
それが、今いる場所のことでないことは明らかで。
聖夜はゴクリ、と息を呑むと瑠奈の手を取り懐かしい部屋へと足を進めた。
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