至上の楽園

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   が、既に力が入らず、その場で腰が砕ける。  聖夜はそんな瑠奈を引き寄せて膝の上に乗せると、彼女の耳朶に口唇を這わせた。 「全部知ってるから、変わったとこがないか確認したいんだよ」 「……!」  こういう時の男の声は、どうしてこんなに低く甘く、愛しく掠れているのだろう。  まるでお前に餓(カツ)えている、と言わんばかりではないか。  こうしてくれと言外にねだったのは自分だ。  瑠奈は羞恥に耐えながらも、聖夜の手がどんどん進んでいくままに委ねた。 「……っ!」  腰をがっちりと抱えられているせいで、聖夜の思うがままだった。  想像したこともない状況で聖夜の指に追い立てられ、瑠奈はどうしても彼に腰を押し付けてしまう体勢で何度もかぶりを振った。  その合間に何度、はしたない声を上げただろう。  聖夜は特に何も変わったことはしていない筈なのに、触れられるだけで瑠奈の身体が勝手に反応した。 .
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