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「ここで?」
「そうだ。事実上、もうお前は俺のものだと思ってるんだが」
真剣な目をして、聖夜は瑠奈の瞳を覗き込む。
──返事など、判り切っているくせに。
こんな状況を作り出してまで答えを請う聖夜を、瑠奈は胸が締め付けられるような気持ちで見つめた。
──後戻りできなくなりたい。そうなんでしょう?
瞳で問いかけると、聖夜は諦めたように肩を竦めた。
「──聞かせてくれ。お前の、その口で」
そうささやいたきり、聖夜は瑠奈の口唇をそっと塞ぐ。
瑠奈の意識の遥か遠くで、メンバー達の歓声が響いた。
「答えなんて、もう何度も言ったから知ってるくせに……。でも、あなたこそ、本当に私でいいのね?」
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