主人の居ない屋敷にて

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さてさて、主人が総帥主催のPartyに出席してる間は際立った業務もなく暇だ、因みに俺は今日早出なので六時以降はOffな訳で今は町に個人的な買い出しをしてる、日用品や酒・タバコを買った後は歩いて屋敷まで戻ってる。 タバコの煙をふかしながら自身の出生をふと思い出す……… 物心つく前から施設にいた 悲しくは無かった、同じような仲間がいたから、 だけど世の中を怨まなかったと言えば嘘になる、 自分の存在理由が解らず夜な夜な施設を抜け出しては夜の町に繰り出した 町にでれば不良に絡まれ喧嘩をした だが複数人に勝てる訳なくいつも一方的にやられた すごく悲しくなった、痛みからでもなく己の無力さと情けなさにだ 存在理由も解らずただ毎日怪我をしては血を流しながら施設に帰って行った 強くなりたかった、その一心で日本武道にのめり込み、俺は強くなった いつも俺をリンチしてる奴らを返り打ちにした 奴ら泣きながら逃げていった、 だが俺に残ったのは喪失感と言い様の無い虚しさだけだった こんな事で俺の存在する意味は見つからない、 俺は何なんだ? オレハニンゲンナノカ? ワカラナイ…… その夜はどうやって帰ってきたか解らない 施設を出る歳になり、初めてこの施設が多大な寄付を受けていたことを俺は知る、 寄付を受けその人に恩がある事を感じ、その人に恩を返そうと思った、 それから有馬グループに入り護衛人を希望するも、実力不足から警備員として働くことになった そして今に到る…… 今日は何だか疲れた、早く屋敷に戻って寝るとするか、今夜は直ぐに眠れる気がした。
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