祖父からの期待

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「体も動かしたし、少しはスッキリしたでしょう。」 哲平 「確かに体は疲れたけど、心は幾分か軽くなった気がするよ。」 「早々に風呂に入って寝ることをお薦めしますよ、風呂も食事も未だでしょう。」 哲平 「そうだね、今日はグッスリ眠れそうだ。」 そう言いながら哲平は屋敷の中へと戻っていった 「竹刀を握るのは久々だな、あの技を久しぶりにやってみるか……」 身を少し屈め、竹刀の柄のあたり左手で握り、竹刀の剣先を右親指と人差し指の間に添えて突きの態勢をとる、そして標的目がけ突きを放つ。 ぶぉぉぉぉんッ! 竹刀の空を斬る音が響く、 昔漫画で見て真似て習得した技、最近は竹刀を握る機会もなく、もう無理かと思ったが存外出来るものだ。 そう想いながら沢村はその場を後にした。
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