Broken

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  ガシャン! 甲高い音がけたたましく響き、足元に皿の破片が散らばった。 「乙女チックなデザインね」 そう吐き捨てて、(はるか)は歪めた顔に笑みを浮かべた。 目の前の食器棚には、いじらしく並べられたペアのマグカップ。 その愛らしいカップを手に取り、遥は腕を垂直に振り下ろした。 ガシャンッ! 小気味よい音を立てて2つのマグカップが砕け散る。 「あーあ、壊れちゃった」 そう呟いた遥の顔は、どこか寂しげに微笑んでいた。  
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