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「分かってるで、貴ちゃん。」
「は?お前、何言うてんねん。」
井本は俺の言った言葉の意味が分かっていないようだ。
それもそうだろう。
だって、話がまるで噛み合ってない。
「分かってんねん、俺。
貴ちゃんの『嫌い』は『大好き』やってこと。」
「んな訳あるかっ///」
井本の頬が微かに赤くなったのが、俺には分かった。
井本は照れ屋やねん。
せやから何時も逆の意味の言葉を並べる。
だから『嫌い』という言葉は、天の邪鬼なお前と俺との愛言葉。
fin.
2010.0617.
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