愛言葉

4/4
前へ
/102ページ
次へ
「分かってるで、貴ちゃん。」 「は?お前、何言うてんねん。」 井本は俺の言った言葉の意味が分かっていないようだ。 それもそうだろう。 だって、話がまるで噛み合ってない。 「分かってんねん、俺。 貴ちゃんの『嫌い』は『大好き』やってこと。」 「んな訳あるかっ///」 井本の頬が微かに赤くなったのが、俺には分かった。 井本は照れ屋やねん。 せやから何時も逆の意味の言葉を並べる。 だから『嫌い』という言葉は、天の邪鬼なお前と俺との愛言葉。 fin. 2010.0617.
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加