そうやったんか

2/3
前へ
/102ページ
次へ
「好きやねん、お前のこと。」 今、俺が立たされている状況を説明すると、相方である藤原に押し倒され、両手首を自分の顔の脇に押さえつけられている。 そして、上の言葉を投げ掛けられた。 こんな状況に立たされていながら、俺の頭の中は案外クリアで、嫌悪感や不快感なんてものは何故か感じられなかった。 「いきなりなんやねん。」 その所為か、この場にはあまり似つかわしくない声のトーンで言葉を発してしまった。 「だから、お前のことが好きや言うとんねん。」 「何時から?」 「.....ずっと前から。」 「ふぅん。」 そうやったんや。 全然気付かへんかったわ。 なんて、自分のことなのにまるで他人事のように呑気に考えていた。 .
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加