341人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きやねん、お前のこと。」
今、俺が立たされている状況を説明すると、相方である藤原に押し倒され、両手首を自分の顔の脇に押さえつけられている。
そして、上の言葉を投げ掛けられた。
こんな状況に立たされていながら、俺の頭の中は案外クリアで、嫌悪感や不快感なんてものは何故か感じられなかった。
「いきなりなんやねん。」
その所為か、この場にはあまり似つかわしくない声のトーンで言葉を発してしまった。
「だから、お前のことが好きや言うとんねん。」
「何時から?」
「.....ずっと前から。」
「ふぅん。」
そうやったんや。
全然気付かへんかったわ。
なんて、自分のことなのにまるで他人事のように呑気に考えていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!