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今日は滅多にないオフだから若林と2人でゆっくり過ごそう、そう考えていたのに。
若林はずっと窓の外を眺めたままだった。
理由はしとしとと降る雨であろう。
微かに聞こえる雨の音は心地好くて、落ち着きを感じるが、どこか寂しげでもあった。
若林は長い時間窓の外を眺めていたが、いきなりスッと立ち上がってどこかへ行ってしまった。
「若林、どうした?」
声を掛けても返事はなく、遠くの方から微かにドアの閉まる音がした。
何も言わずにいきなり出て行くなんてどうしたんだろう?
しかも、こんな雨降りの中。
俺は若林の後を追うことにした。
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