俄雨

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もう、なんで? ついさっきまで晴れてたのに。 今では、それが嘘だったかのような雨。 雨が降るなんて天気予報じゃ言ってなかったのに。 案の定傘なんて持って来てない僕は、昇降口に立ち尽くすしかなくて。 この様子だと俄雨かな。 でも、止むまで待ってる訳にも行かないしなぁ。 はぁ、雨の中を走って帰るしかないか。 そう思って昇降口から出ようとした瞬間、僕を呼ぶ声が聞こえた。 「向井!今帰りか?」 「あっ、尾形先輩!」 それは僕の想い人の尾形先輩だった。 .
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